シリア難民・パレスチナ難民支援

シリア難民・パレスチナ難民支援の報告

今年はシリア難民の苦難が大きく報道されました。
パレスチナ子どものキャンペーンでは、2012年からシリア難民支援を継続しています。
シリア難民は国外に逃れている人だけでもすでに500万人近く、国内避難民も700万人と言われます。

その中でもシリアの隣国レバノンには120万人近い難民が押し寄せ、
レバノンでは人口の3人に1人が難民です。
レバノンには、シリア難民以外にも30万人以上のパレスチナ難民が
70年近く避難生活を送っているからです。

【越冬支援】

山岳部で避難生活を送る1200世帯に燃料支援を開始しました。
また、幼稚園児や小学生への防寒着や靴の配布、給食も行っています。
夜間は零下8度になる日もある山岳地帯で
窓のガラスもないようなシェルターに住んでいる人には、燃料や暖かい衣類の配布は死活問題です。

燃料配布

防寒着配布1

【給食や食料配布】

シリア難民の45%が1日1食しか食事をしていないという統計もあります。
成長期の子どもたちへの給食の提供は大変好評です。

幼稚園給食提供

【乳児とお母さん支援】

シリア難民世帯では25%に乳児がいます。
最初の冬を迎える乳児とそのお母さんを対象に、紙おむつや離乳食、消毒剤などの
育児用品の配布と育児に関する講習なども実施しています。
水や洗剤が入手できない生活では、高価な紙おむつも必需品なのです。

赤ちゃん


【子ども歯科や心理サポート】

難民キャンプの子どもたちに対して、歯科検診と治療を行っています。
また、深刻なトラウマやPTSD、鬱の子どもたちに対する精神科医師や臨床心理士による
診療とカウンセリングを長期にわたって実施しています。
こうした医療支援を受けている子どもたちは年間で1万人を超えています。

子ども歯科検診

レバノンには公式のシリア難民キャンプがないため、多くの人たちがパレスチナ難民キャンプに流入し、
パレスチナ難民キャンプの人口は場所によっては倍近くになり、ただでさえ劣悪な環境がさらに悪化しています。
また、シリア難民の1割はパレスチナ人で、70年前に難民としてシリアに逃れた人たちが、再び難民となって
シリアを追われています。当会では30年ほど前からパレスチナ難民キャンプで支援をしてきましたが、
この3年はパレスチナ難民キャンプに入ってくるシリア難民への支援もパレスチナ難民支援と同時に行っています。
皆様のご支援をお願いします。


2015.12.25 | | 2015レバノン・シリア

ガザでの最近の支援活動

パレスチナ子どものキャンペーンの活動にご支援いただきありがとうございます。
秋から冬にかけて、ガザでの支援活動を報告します。

【幼稚園の修復】

2014年の戦争によって、ガザでは幼稚園の半数が被害を受けたと言われますが、
当会ではガザ北部のいくつかの幼稚園の修復をしています。

写真の幼稚園は2階の壁が破壊されて、吹きさらしになっていましたが、
壁と窓ができたので冬の雨風から子どもたちを守ることができます。
また、否が応でも目に入っていた瓦礫も窓を閉めると目に入りません。

この園には、やはり壊された近隣の園も同居しているため、
1階に200人、2階に200人の子どもがいて、子どもたちの大きな声に圧倒されます。

修復前

修復後


【負傷した子どもたちのリハビリ】

戦争では数千人の子どもたちが傷を負いました。
負傷した子どもたちの多くは後遺症に苦しみ、
家を失っていて仮住まいを余儀なくされている家族には
経済的にも物理的にも余裕がありません。
頭部、腹部、上下肢などを負傷し神経を損傷したため、
半身に麻痺が出たり、歩行できない、物を持てない、
その結果学校に行けない子どもたちがたくさんいます。

当会では、2015年春からこうした子どもたちを訪問して、
アフターケアとリハビリを提供しています。
すでに100人以上の子どもたちが自立歩行したり、
物を持てるようになったりし、学校に復帰しています。

写真のラニアさん(11歳)もその一人で、
手が動かせるようになって、学校に復帰しました。

リハビリ

ラニア



【補習クラス】

ガザの北部ベイトラヒアと南部ハンユニスの3か所で、
小学生のための補習クラスを継続中です。
2014年の新学期は、停戦からほどなく始まったため、
実際には学習を始めることができませんでした。
多くの子どもたちが戦争によるトラウマを抱えていて、
勉強よりも心理サポートが優先されましたが、
授業日数も足りず子どもたちは十分な授業を受けていません。
そのため1年間の学習内容が身につかず、
多くの子どもが勉強についていけなくなっています。また学習に集中できません。

そのために補習クラスを2014年秋から開始しています。
補習クラスに参加している子どもたちは
参加前に比べるとテストの正解率が2倍近くになりました。

補習クラス

2015.12.23 | | 2015ガザ・パレスチナ

子どもたちの大好きなおやつ

カーク


レバノンのパレスチナ難民キャンプの子どもたちも日本の子どもと同じように甘いものが大好き。
子どもたちに聞いてみたお気に入りのスイーツについてお話します。

シャティーラの幼稚園クラスではお腹を空かせた子どもや栄養バランスの優れない子どもが多いため、毎日給食を配布しています。温かいご飯や炊いた豆、「シャリーア」と呼ばれるミニパスタが配布される日もあればキュウリやチーズ、ザアタルにパンという献立もあります。
子どもたちに「スイーツ」の一つとして認識されているのは、「カーク」と呼ばれるビスケットのようなものを温かい牛乳に浸したメニュー。カーク自体はチョコレートのように糖分が高くなくヘルシーでカルシウムが豊富に含まれている牛乳と合わせることで不足がちな栄養素を同時に補うことができます。

幼稚園では子どもたちに「トゥルモース」という炊いた豆のお菓子も配布しています。併設されている歯科クリニックの歯科衛生教育の効果もあり、センターではチョコレートやポテトチップスなどの持参を禁止し、伝統的な知恵を活かした豆やカークが配布されています。ちなみに、トゥルモースはお買い得で110人余りの子どもに配布するために3kgを購入しても約600円と財政的な負担になりません。

トゥルモース

 
子どもたちに、「おうちではどんなお菓子を食べているのかな?」と尋ねてみると「ムハラビーヤ(サフラブ)」や「スフーフ」、「ライスとミルク」、「チョコレート」や「ママの手作りケーキ」という声が上がりました。家庭で簡単に作れるムハラビーヤは温めた牛乳にコーンスターチ、砂糖、バラ水を加えて冷やして食べる牛乳プリンのようなものです。寒さの厳しい冬場は、温かいままのムハラビーヤにシナモンパウダーをかけ「サフラブ」という飲み物としていただくこともあります。


  
スフーフは路上でお菓子売りが売っている姿も見かけますが、ザフラン(もどき?)で黄色に色づけたスポンジケーキです。ザフラン粉で色つけている料理はこちらではよく見かけますが、美味しく見るように黄色を加えるようです。小麦粉類、砂糖、牛乳、バター、ベーキングパウダー、黄粉を混ぜてオーブンに入れるだけですので簡単に作れ、あっさりした甘さです。ライスとミルクは「ライスプディング」と同じような感覚です。日本人の中にはライスプディングは苦手という方も多いように思いますが、キャンプの子どもたちには人気のスイーツです。

子どもたちには高級スイーツとして認識されているのが、クナフェやバクラバです。ソーシャルワーカーによるとクナフェは家庭で作ることもあるといいますが、アッカウェ、マジュトゥーレという2種類のチーズが必要で、チーズの塩抜き作業が必要となるため手軽にというわけにはいきません。

ワーベルキャンプで子どもたちのワークショップを開催した際、子どもたちが前から食べたいと言っていたクナフェを提供すると、アタルというはちみつのような甘いソースをたくさんかけて美味しそうに食べていました。ワーベルキャンプは都市から離れた内陸地にあり食糧難に苦しんでいる家庭が多いため、日々の食事を確保するのに精一杯という家庭が多いように思います。キュウリやバナナが子どもたちにとっては重要な食事であり、スイーツと同じように楽しみな一品なのです。


2015.04.15 | | 2015レバノン・シリア

難民キャンプで作られる手刺繍

写真1
写真2

パレスチナ刺繍はいかが

「刺繍の民族衣装といえばパレスチナ」といわれる印象的で美しいパレスチナ刺繍。

レバノンの難民キャンプにある「子どもの家」刺繍センターでは
この伝統技術を生かして女性たちが色々な商品を生み出しています。

ポシェットにポーチ、チュニックやスカーフにと、
この地域で見られる糸杉やオリーブなどの自然や
女性のアクセサリーがモチーフとなった刺繍が一針一針施されています。

刺繍センターを訪れるとちょうどカードの仕上げをしていました。
難民キャンプの女性たちが手刺繍をし、センタースタッフのハナンさんが
それをカードに貼り付けていきます。

「日本のお客様は、線が曲がっていたり、刺繍糸の処理ができていないと
喜んでくれないでしょ」と日本の反応を考えながら一点ずつ糸処理を行い、
刺繍がずれないように念を入れて貼り付けます。

女性たちの工夫と心遣いが込められて完成する刺繍製品。
クリスマスや年末年始のプレゼントにパレスチナ刺繍はいかがですか。

パレスチナ刺繍の製品は、ネットショップでもお求めいただけます。
 http://shop.ccp-ngo.jp/



2014.11.21 | | 2014レバノン・シリア

ガザ訪問報告

ガザ訪問団の一人、当会本田理事による報告です。 
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7年ぶりに今日2014年10月12日から、パレスチナ子どものキャンペーン(CCP)事務局長田中好子さん、同エルサレム事務所の手島さんと一緒にパレスチナを訪問しています。1日目からガザに入りました。今回小生の訪問は、同NGOの理事として、医療関係の被害状況の視察などを目的としています。
ガザでCCPが支援している農業や母子支援事業の細かい報告は、田中さん手島さんが、CCPのホームページなどで近くしてくださると思いますが、訪問中私がふと気づいたこと、心を打たれたことを、写真を交えた短い言葉でお伝えします。

シュジェィアは、帯(ストリップ)と称される、ガザの北東に位置する地域ですが、今回イスラエル兵15名がハマスとの激しい戦闘の末犠牲になったことから、軍による無差別の爆弾攻撃やブルドーザーによって300世帯が破壊されたところです。視界の360度を見渡し壊されていない家、建物はないという感じになっています。

1) この写真は民家の1枚ですが、車いすが壊れた建物からぶら下がっているのが確認できます。この家に住んでいた、車いすのお年寄りか障害を持つ人はどうなったのだろうかと、心を痛めました。
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2) やはりシュジェイアの1枚。イスラエルの兵が侵入し、屋内をめちゃくちゃにされ、壁も弾丸で穴だらけにされ、ひどい落書きまでされた家の狭い庭に、一本だけ、かろうじて生き残った、痩せたオリーブの木。すこしですが、立派にオリーブの実をつけていました。硝煙と砂埃を浴びて白く煤けた、けなげなオリーブよ、がんばれ!
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3) シュジェイアの破壊しつくされた一画の通りの角に一本だけ水を出す水道栓。人々の乾いた喉を潤している。
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4) 住む家がなくなっても屈託なく笑う子どもたち。
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5) 廃墟の空を覆う美しい雲。
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2014.10.16 | | 2014ガザ

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