ABCニュース ガザ戦争日記7日目


【ラシャのガザ戦争日記 7日目】

7月15日 
この血なまぐさい日が終わろうとしている。
夜の始まりはかなり静かだった。嵐の前の静けさ。
ここでいう静けさっていうのは爆撃が近くで起こっていないというだけで、
上空を飛ぶ無人偵察の「ヅヅヅ―」という音は昼夜ずっとなり続いている。

「バーーーーーーン」、と突然どこからともなく爆発が始まった。
ワールドカップのアルゼンチン対ドイツの決勝戦の直後だった。
イスラエル軍機の操縦士は試合結果に怒っていたのだろうか?

再び私の家の近所に爆撃があった。今度は警察署だ。
また夜明け前の、朝からの断食に備える食事中だった。
ガザ北部から国連の学校に現在避難している多くの人たちのことを思った。

それから朝が来るまで私はベランダに座り、そのまま空を見上げていた。
近所の人たちはものすごい悪臭をかき消すために路上で大量のごみを燃やしていた。
ガザ市の公共サービスはこの爆撃中まったく機能していない。
ごみの収集にも来ないのだ。道端にあるごみ捨て用のコンテナはいっぱいになったままで、
ものすごい悪臭が立ち込めていた。夏の真っ盛りで、気温もとても高い。

今日私たちの近所は特に静かだけど、遠くではまだ空爆の音が聞こえ続けている。
イスラエル軍は一般市民の家、モスク、診療所などを見境なく爆撃している。

一番ショックなニュースはアル・シファ病院の医師が、
イスラエルによるDIME(高密度不活性金属爆薬)の使用を確認したことだった。
その爆薬で負傷して病院に搬送されてきた人のほとんどは治療が難しいそうだ。
その種の武器が過剰に使われ、すごく小さな爆破物の破片が皮膚組織と血管を破って
出血多量をおこし、死に至ることもある。

前回のガザ攻撃では国際的に禁止されている化学兵器が使われたことを思い出した。
イスラエルの使用したリンを含む科学兵器は、パレスチナ人の体にこれから何年影響を及ぼすのか。
彼らはガザの人たちを兵器の実験用マウスとして使っているのだろうか。
新兵器の開発のために使っているのだろうか。なんて非人間的なのだろう。

毎日たくさんの悲惨な映像を目にしているが、今日見た映像で一番心が痛んだ映像は、
パレスチナ人の父親が二人の息子の死体を抱きかかえているものだった。
父親は泣き叫び、死んだ子どもに、守ってやれなかったと、許しを乞うていた。
武装もしていない一般市民、イスラエルの戦闘機や軍艦の前では
何も出来ない一人の人間が、息子を守れなくて懺悔している。心が痛む。

アメリカABCテレビの有名なアンカー、ダイアン・ソイヤーがニュースを読んでいる映像を見た。
彼女は視聴者に向かって「ロケット弾がイスラエル上空に降ってきています」と伝えていた。
でも実際の映像はイスラエルの戦闘機がガザを爆撃しているものだった。
さらにある写真を「イスラエル人家族が持てるものを救い出そうとしている」とも伝えたが、
その写真はどう見ても、パレスチナ人が瓦礫の中からマットレスを引っ張りだしたものだった。

後になってABCニュースはそれらが間違いであることを認めたと、どこか読んだ。
でもどんな嘘でも、一旦広く伝わってしまうと、その後何回訂正しても、それは受け入れられてしまう。

これが問題の写真。
「ABCニュースは、イスラエルに爆撃されたパレスチナ人を指して
“ハマスのロケットの犠牲者のイスラエル人”と伝えたことを公式に謝罪している」そうだ。

ABCニュース


2014.07.18 | | 2014ガザ

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