パレスチナ人にはシェルターがない

アブ・ターレクのガザ戦争日記 4日目と5日目

今朝は危険を冒してビーチキャンプの路地を抜け、青物市場に向かった。
露天商が数人、やはり危険を冒して店を出している。
心配そうな青い顔をした人たちがその周りにまばらにいる。

「こんなとこに来てあんた大丈夫なのかい?」 
眠っていない顔の露天商が不安げに聞いてくる。
「俺の家には金がない、食べ物も赤ん坊のミルクもない。
そんななかで恐怖を抱いて家にいるよりも、
危なくてもここで働いている方が100倍もマシだよ。
俺たちには避難シェルターがない。
あんた、パレスチナ人でシェルターを持っているってやつのことを聞いたことがあるかい? 
俺たちは怖くなんかない。どんなに犠牲を払っても名誉を取り戻すさ」
私は黙ってそこを離れた。

私はもちろん恐怖を感じているので、家族のために食料を買わねば
という思いがなければ市場には来なかっただろう。
行きは歩いて行ったが、帰りは荷物がいっぱいでタクシーを拾わなければならなかった。
家までの5分間、フラッシュのように数日前の記憶が戻ってくる。
いつ何時、タクシーへのミサイル攻撃で焼き殺されるか分からない。

午後遅く、以前に住んでいた地域にイスラエルは激しい爆撃をした。
80歳の老人が標的だとか!正気の沙汰ではない。
モスクを壊し、銀行を標的にする。すべてインフラだ。
軍事目標についてはついぞ聞かない。イスラエルはガザの破壊を目指しているのだ。

みんなに言っておかなくてはならない。
イスラエルも被害にあっているとメディアは言っている。
それを聞くと、あたかもパレスチナがイスラエルよりも強い軍事国家のようにさえ聞こえる。
イスラエルは世界で11番目、中東世界では最強の軍事国家なのだ。
この狂気の攻撃は停止されるべきだ。平和が訪れるように。

第5日

障がい者、子ども、赤ん坊・・が、昨晩の激しい攻撃の的になった。
それにいくつかのモスクと、民家、慈善団体、リハビリテーションセンター、
病院、孤児院、スポーツクラブ、公園、そして農村。なんてこった!

一人の父親の話は最も悲痛だ。
8年間待ち続けてようやく生まれた赤ん坊。その小さな女の子は重傷を負っている。
父親が泣き叫んでいる。「私の血を取って、この子の命を助けてくれ」。
時間が止まっている。なぜイスラエルは、なぜ、・・。
こんなことのために新しい命が生まれたのか?

障害者の女性3人とその介護者も標的にされた。正気の沙汰ではない。

アラブ諸国の沈黙、国際社会や人権団体までもが沈黙している。
メディアが真相を伝えていないからか? 
私たちは見捨てられているのか? 私たちが一番ショックなのはこのことだ。

2014.07.14 | | 2014ガザ

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